NAFLD(非アルコール性脂肪肝)において低ALBは肝障害悪化の要因になる


アンモニア値正常、ヒアルロン酸値正常のNAFLDを数多く見ているとALB値4.1g/dl以下の低ALB血症の症例が多い。LCステージに達してないことよりタンパク質の合成障害というより特に動物性タンパク質の摂取不足が考えられる。ダメージを受けた肝細胞の修復する材料が動物性タンパク質である。

ただNAFLDが進行すると続発性アルドステロン症によりECWが増大するため、それに呼応してMCVが増加を示す。そうなるとALBは希釈され低ALBを示すことがあるがALB・MCVで補正すると本来のALB値が得られる。

DM兼ALDの患者だがAST40、ALT24、γGT26、RBC417、MCV107、ALB4.2だった。(単位省略)。これでいくと男子的には大球性貧血ということになるが、もし禁酒してMCV90になったとしたら

     107/90×417=495     107/90×4.2=4.99

になる。この患者は軽度の肝障害を示すALD(アルコール肝障害)であるがMCVが細胞内浮腫をしめすと考えれば、細胞内外の水分もバランスしているので当然のこと細胞外液も増加するのでRBCならびALB値は希釈され低下する。すなわちこの患者については動物性タンパク質の摂取は十分であり、RBCも正常ということになる。

基本的にECW/TBWは38%になるようにECWが増せばICWも増す。逆にECWが減ればICWも減る。SGLT-2阻害剤を長期に使用した場合、血漿量は減少しRBCは増大を示し、細胞内液が減少しMCVは減少する。同様にASr(大動脈弁逆流症)に心房細動が合併しているような心不全の場合、有効心拍出量を維持するべくECWが増加する。その場合ICWも増大するのでMCVも増大する。重症心不全の場合、低Na血症を呈する場合もある。

話は始めに戻るが、NAFLDの治療の基本は高タンパク食に尽きる。また炭水化物は高インスリン血症を避けるために控えめにすることが望まれる。また脂質についても過剰摂取は控えなければならない。厚労省が推奨する1日当たりのタンパク質摂取量は60gである。赤身肉なら毎日300g、鶏卵なら9個に相当する。例えば、朝食に納豆ごはん、昼にどん兵衛とオニギリ1個、夕食に刺身8切れと味噌汁と白飯だったとしたらタンパク質は完全に不足する。MCV90ならALB5.0をMCV100ならALB4.5を目指して動物性タンパク質を中心に摂取する必要があると考える。