サルコペニアの体組成の補正


サルコペニア体型を示す糖尿病患者の体組成をタニタで求め、さらにALBとMCVで補正した。その患者は64歳男性、糖尿病歴20年以上、身長165cm、体重47.6kgである。まずタニタの体組成計で彼の体脂肪は3.5kgであったたが、ALB4.7、MCV90で補正したところ-3.0の体脂肪と補正された。

彼のタニタでのECWは13.4L、骨+タンパク質が12.95kg、血液検査でALB4.5g/dl、MCV106であった。そこで彼の体脂肪量がマイナスにならない状態に補正するにはALB5.0g/dlで補正する必要があった。すなわち

     真のECW=13.4×4.5/5.0=10.85L

     補正ICW=10.85×1.61×106/90=20.6L

     補正TBW=13.4+20.6=34.0L

     %TBW 71.4%  ECW/TBWは39.4%となった。

さらに体脂肪は47.6-34.0-12.95=0.65kgにあいなった。体脂肪率は1.3%であった。ちなみに除脂肪体重は34.0+12.95=46.95kgである

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ところがこの患者のInBodyでのデータが残っており、それと比較してみた。身長は165cmと同じ、体重は49.8kgでECW12.4kg、ICW19.9kgであった体脂肪は6.1kgでECW/TBWは38.4%であった。これを見るとタニタECWは多くICWは少なく出ている。私の補正式でも誤差が出た。そもそもタニタはInBodyに比べると全てにおいて誤差が多過ぎる。

もしMCV106でALB4.5を示すためにはMCV90でALB5.3ないと難しかろう。ただそれで補正すると除脂肪体重は50.9kgになり本当の体重を超えてしまった。まず結論からいうとタニタの体組成計はデタラメである。もしこれから体組成計の購入を考えている人がいたならタニタはお勧めできない。

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サルコペニアは極度の痩せと四肢の筋量減少をしめす病態であるが痩せDMの一部にみられることがある。体脂肪の蓄積がほとんどないのでタンパク質を摂取し筋肉量を維持するしか生命を維持できない可能性がある。

今回MCV106とICW浮腫が存在するがECW/TBWから判断するとECWも多いという結論に達した。またALB補正値は従来4.7でおこなっていたが、今回5.0で補正して比較的妥当な補正結果(体脂肪がマイナスにならない)が得られた。だがタニタの体組成計のECWならびICWの値が根本的に間違っているのが一番の原因であることは間違いない。

なおこの患者のMCVが106と増大しているのは酒飲みだからだと考えている。AST,ALT,γGT、コリンエステラーゼ、ヒアルロン酸、ビタミンB12は正常範囲内であった。愛飲家のICW増かつ、それに反応してECW増になっているケースであろう。