低γグロブリン血症を呈するDM患者に対するフルクトース経口投与


糖尿病治療においてHbA1cが重要な指標になる。ところがHbA1cばかり意識した結果、食後の過血糖や、反対の低血糖を見落としがちになる。医療機関にもよるが空腹時血糖とHbA1cなど基準に治療効果を判断するのが基本だからである。日中の低血糖は自覚されるが、ところが夜間に低血糖になると本人も気づかぬまま経過することがある。

低血糖が長く続く、いわゆる低血糖モードがあると骨髄のリンパ芽球が影響を受け低γグロブリン血症さらに低IgG血症を生じると推測した。特に飲酒習慣のある糖尿病患者、ステロイド糖尿病もしくはIGT、ダンピング症候群による糖尿病もしくはIGTでは低血糖モードに曝される時間があり、結果として低γグロブリン血症を呈する。A/G比の上昇がみられるケースもある。

また食事においてもカロリー制限至上主義で指導した場合、極端な脂質制限につながることがある。またコレステロールを気にして肉を極端に控えるケースもある。例えると朝、メシ1杯、昼、麺類、夕、メシ1杯。おかずは低脂質、低たんぱく質のモノを選んでいるような状態だ。これだとカロリー制限は叶うが栄養不足になる。また医者の中には、いまだにカロリー制限を唱える者もいる。

脂質の摂取が不足すると食後過血糖、空腹時や夜間に低血糖を生じる。飲酒者ではアルコールが糖新生を抑制するため夜間帯に低血糖モードに陥る。ステロイド糖尿病では糖新生が亢進するため血糖値が過大に上昇する、その後インスリンの過剰状態となり空腹時や夜間帯に低血糖モードを生じる。ダンピング症候群では直接、小腸に食物が移動する結果、高血糖から高インリン、その後低血糖に至る。

低血糖の治療はブドウ糖の摂取だが、ブドウ糖の摂取で血糖値は回復するが、さらに高インスリンと低血糖の原因になり得る。もしこれらの症例で一定度の脂質食品を毎食摂らせ、かつフルクトース経口摂取をさせることで低血糖モードは回避できる可能性がある。

ちなみにIgA腎症でステロイド治療を受けて、その際インスリンの使用歴がある50歳代のIGT女性のIgGが730~750mg/dlの低値を示していたが眠前にバナナ1本を摂るように指導し、実行したところ2か月でIgGが737→828mg/dlに上昇した。またγグロブリンも0.7326→0.8073mg/dlに改善した。

また70歳代のダンピング症候群の患者で、今年1月のデータでHbA1c6.4%、IgG685mgだったが、フルクトース経口5~15g処方したところ7月のデータでHbA1c6.5%、IgG988mg/dlと改善している。またγグロブリンは0.6976mg/dl→0.8908mg/dlに改善した。いずれも肝機能障害などは出現しておらず、低血糖モードの回避にフルクトースや果物の摂取が有効ではないかと考えるに至った。

フルクトースは果糖であり、ブドウ糖と異なり直接、血糖値を上げないとされており肝臓で代謝を受け糖新生物質として66%がブドウ糖に変わるとされている。脂肪肝や中性脂肪が出現するか定期的に検査する必要性があるが、服用の仕方次第で空腹時や夜間あるいは飲酒後の低血糖や低血糖モードを予防できる可能性がある。

飲酒習慣のあるDM患者、ステロイドDM患者、ダンピング症候群によるDM患者に対して一度はA/G比だけでなくγグロブリンやIgGを検査してみる必要性があろう。