SGLT-2阻害剤の使用後の雑感


要点のみ述べる。

SGLT-2阻害剤を、より有効に使用するためには相当量のNaClと水の摂取が欠かせない。NaClについては焼き魚や漬物といった固形食品ではなく味噌汁などのNaCl水溶液系が、より効果的である。固形の食品は消化・吸収に時間を要するためナトリウム吸収のピークと血糖値のピークに一致しない可能性があるからだ。NaCl摂取不足があると血液中にナトリウムが移動する前にインスリンによりブドウ糖が処理される。

尿生成を考えると糸球体を通過するのは水、ナトリウムが優先されており、これらが不足するとブドウ糖は尿細管に届かない。水、ナトリウムが不足すると尿中へのブドウ糖排出が減少するか、極端にいうと高血糖かつ尿糖陰性の場合も出てくる。また2型DMはインスリン分泌がゼロではなく過剰の状態もあり得る。SGLT-2阻害剤がインスリン分泌に負けてしまう状態になり得る。

SGLT-2阻害剤使用時にはナトリウムは尿細管で再吸収されるため尿中へのナトリウム排泄はないとされているが、この事象は生理学的にあり得ない。人間に限らず動物の体液は常に浸透圧センサーで監視されている。ゆえに急激に体液が体外に移動する場合、たとえばSGLT-2阻害剤がヒットして利尿が亢進した際、高ナトリウム血症を回避すべくナトリウムも尿中へ排出される。

稀にSGLT-2阻害剤がヒットして利尿が高度に亢進した場合、細胞外液中の急激なナトリウム不足を生じるため、水は細胞内液に移動して細胞内浮腫も生じ得る。その代表が脳浮腫であり浮動性眩暈症であると考える。また相対的高カリウム血症を生じる可能性もある。

SGLT-2阻害剤使用時に体重が増加した場合、血糖値低値~正常範囲で尿糖が強陽性、さらにγGTなどの肝機能マーカーが低下(改善)している場合には細胞内浮腫による体重増加が否定できない。尿中へのナトリウム、ブドウ糖が尿中に排出したものの急激な細胞外液の浸透圧減少により細胞外液中の余剰な水が細胞内液に移動したとも推測される。

大量飲酒の際にも同様な症状が出現することがある。大量飲酒による細胞外液の希釈・増加さらに糖新生抑制による血糖値の低下である。この場合には緩徐に細胞外液から細胞内液に水が移動する。結果として細胞内浮腫、その代表として脳浮腫を生じる。筋肉内、赤血球などの細胞も浮腫を生じる。筋細胞の浮腫は目につかないが、赤血球は浮腫を生じる。それはMCVに現れる。いわゆる大酒飲みの大赤血球症であると考える。