ベタニスの薬効と応用


まず下記はネット「takのアメブロ薬理学などなど 」からの引用。

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過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は、比較的新しい疾患概念です。ガイドラインでは、「尿意切迫感を有し、通常は頻尿および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状態」と定義されています。 ところで、薬理学の教科書をみても、β3アドレナリン受容体について詳しく書かれているものは少ないです。例えば、三木先生の電子教科書では、「組織:脂肪細胞、作用:脂肪分解促進」とだけ書かれています。β3受容体について少し説明します。 β3受容体は、約20年前に発見されました。発見当初からしばらくは、脂肪組織に多く分布することや、64番目のトリプトファンがアルギニンに換わった変異が、肥満や糖尿病に関連することから、β3受容体アゴニストは、肥満や糖尿病、糖尿病発症の優れた治療薬になる可能性があるとして注目されました。実際、多くの薬物が「やせ薬」として開発されましたが、すべて失敗に終わったそうです。 ところが、1998年頃からの日本人を中心とした研究によって、ヒト膀胱平滑筋のβ受容体の97%がβ3であること、ヒト膀胱の弛緩がβ1やβ2ではなくβ3を介すること、ラットモデルで膀胱過活動が選択的β3アゴニストによって抑制されることなどが示され、OABに有効である可能性が示されました。

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すなわちベタニスはβ3を刺激する。体脂肪燃焼を促進する可能性があり、当クリニックでも中高年の肥満に対して減量目的で使用することがある。主に肥満のある中高年の女性が対象になるが、無効・有効半々といった印象だ。

この際、汗が増えたという患者はエネルギー消費が促進されている証拠と考える。つまり白色脂肪細胞がエネルギー化していると考える。

発売後の副作用報告には発汗過多という言葉はなぜかないのだが、発汗過多の意味は代謝が亢進していると同じと考える。副作用報告に発汗過多が欠落しているのは製薬メーカーの統計収集のミスである。また問診で必ず聞かなければならない項目なのに残念だ。

代謝を考えると、人間などの動物は恒温動物だから代謝が亢進したとして発熱はしない。発汗により過剰なエネルギーを処理している。発汗により皮膚表面に水分を与え、それが蒸発することにより熱くなった体を冷却する。夏の打ち水を思い出してくれ。水分蒸発が熱を下げる。

もしβ3アゴニストを用いても体重が減少しなかったとすれば、単純に消費したエネルギーと同等のエネルギーの摂取が行われたからだ。β3アゴニストはブドウ糖の利用も促進する。すなわち血糖値低下により食欲が増進すると考えれば合理的だ。

北海道大学の斎藤昌之先生のペーパーによると肥満マウスやイヌでは顕著に体脂肪が減少するという。おそらくマウスやイヌはグルカゴン中心の糖新生を主体とする糖代謝であるが、ヒトはインスリンを中心とした糖代謝である点が体脂肪減少を妨げていると想像する。

糖尿病に有効かは不明だが、当クリニックではSGLT-2阻害剤と意識的に併用し減量のサポート薬剤として用いている。β3アゴニストはSGLT-2阻害剤使用時の頻尿に対して用いるが、実はSGLT-2阻害剤により生じる減量耐性予防の目的が第一なのだ。

ただ代謝が亢進すると空腹感が出現する、空腹感が強い時には半夏厚朴湯を服用させる。プラシーボ効果なのか、抗ストレス作用なのか、これまた空腹感抑制に一定の効果がある。

本来なら薬効が期待されているのに、その薬効が得られない場合、なぜ効果がなかったのか考える。その理由を基礎医学の教科書やその他の沢山の文献を読んで考える。それがわれわれ医者の仕事の一つである。