NASHに対する新治療⑵ 裏ワザ編


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一般的にNASHは非アルコール性脂肪肝の進行した病態と説明されるが、肥満や耐糖能障害を合併しているケースが少なくない。判りやすく説明すると肥満すなわち肥大した脂肪細胞によりインスリン抵抗性が存在するため、高インスリン血症から体脂肪が増加したと考える。

この場合、糖尿病を合併していればSGLT2阻害剤やピオグリタゾンを用い糖尿病とともに脂肪肝を治療できるが、該当しなければ積極的に治療できない。

念のため反復するが、糖尿病の診断基準は空腹時血糖値126mg/dl以上、随時血糖値で200mg/dl以上、HbA1c6.5%以上で糖尿病と診断される。また75gブドウ糖負荷試験で200mg/dl以上を示せば同様に糖尿病と診断される。

ただ75gブドウ糖負荷試験で200mg/dlを超えない可能性もある。ただ30分や60分で血糖値が200mg/dlを超えなくても10分、20分で200mg/dlを超える可能性がある。あるいは100g糖負荷試験、150g糖負荷試験で200mg/dlを超える可能性もある。

現行の医療保険制度ではSGLT2阻害剤とピオグリタゾンを用いて脂肪肝を治療することは不可能である。糖尿病と診断されない限り不可能なのだ。ならば積極的に糖尿病と診断されるよう検査に工夫をする必要があろう。1回でも200mg/dlを超えれば糖尿病だ。

ただ基本的に脂肪肝の治療については、糖尿病の治療と同様に食事療法がもっとも重要であることは間違いない。特に高インスリン血症を回避するためには、ある程度の糖質制限(特に夕食時以降の)が必要であろう。またゴハンやパンなどの炭水化物摂取に先駆けてサラダなどの葉物野菜を摂るなどの食習慣の工夫も重要であろう。

また食後の有酸素運動でブドウ糖を消費してインスリン分泌を減らすことも脂肪肝治療に有効だと考える。特に夜間の高インスリン状態を回避するためには夕食後の運動が適当と考える。ウオーキングやランニングでなくても構わない、たとえばゴーゴーダンスやディスコダンスでも構わない、全身の筋肉を動かせばブドウ糖の消費はかなう。

追記:

すでに高アンモニア血症を呈し、かつ4型コラーゲン7Sが低値を示しAST、ALT、γGTなどが低値の非活動性のNASHによる肝硬変症ではSGLT2阻害剤等での治療は不要であろう。その場合にはアミノ酸製剤を用いアルブミン合成を促し、アンモニアを下げる治療が中心になると考える。またαフェトプロテインや超音波検査等の定期的な検査も必要である。