気管支炎と喘息

感冒で他院を受診したものの改善しないと当院に来られる患者さんがおられる。PLやアスベリンやセフェム系抗生物質を処方されていることが少なくないが、大概は咳が止まらないと訴える。咳が止まらない場合は基本的に上気道炎ではなく、炎症の主座が下気道すなわち気管支以下にあると考えるべきであろう。大方は気管支炎と気管支喘息である。また医者によっては気管支炎と気管支喘息と区別がつかない先生もたくさんいるようだ。

 

簡単に分類するなら喘鳴を伴わない激しい咳なら気管支炎で、喘鳴を伴っているなら喘息と判断できる。気管支や細気管支に炎症があり気管支表面の繊毛が障害され気道過敏性が増し、咳が出る。もし気道の炎症により気道に浮腫を生じ、空気の通りが悪くなり喘鳴を発するなら喘息である。厳密には気道の炎症に気道アレルギーが関与していれば気管支喘息、関与してない喘鳴なら喘息様気管支炎としても間違いではない。

 

ただ喘息様気管支炎であっても何らかの気道アレルギーを有する場合が多い。例えばハウスダストやダニ、スギ花粉、ブタクサなどのアレルギーを有する場合である。これらの気道アレルギーを有する患者の場合、普通感冒から気管支炎や気管支喘息を比較的容易に生じる。例えば初診時に感冒で受診されても、問診で気道アレルギーの有無を問うて「花粉症」や「アレルギー性鼻炎」の既往歴があるなら、継時的に気管支炎や喘息に進展すると想定して治療しなければならない。

 

例えばマイコプラズマは激しい咳嗽を示す疾患と知られているが、感染して発症直後は普通感冒で来院される。インフルエンザでも同様だが、発症初期には抗原検査でも陰性の可能性が高い。まず問診で「まわりに咳の激しい人はいますか?」と問うて、マイコプラズマの可能性を想像するしかない。もし、まわりに何人も咳をする人たちがいたならば、抗原検査陰性でも、おそらくマイコプラズマであると考え、かかる抗菌剤を投与すべきだ。

 

問診上、花粉症などの気道アレルギー性疾患の既往歴があって、まわりに咳をする人たちがいたなら、当初より治療薬はてんこ盛りになる。すなわち抗菌剤、抗アレルギー剤、ロイコトリエン拮抗剤、β刺激剤など。個人的にはリン酸コディイン以外の鎮咳剤や去痰剤の薬効は無効と考えているが、患者の訴えが激しい咳であるので、これらを投与することもある。

 

もし当初より喘鳴があったり、SPO₂の低下があるようならステロイドの投与を行う。もちろん血算・CRPを見てから二次感染が想定される例には抗菌剤を先に服用させてからステロイドを投与する。もし、これらの治療でも咳が長引くようならステロイド吸入を行い気道粘膜の修復を促進させ、早期に気道過敏状態の改善をはかることにしている。

 

 

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