NASHを探せ

NASHとは非アルコール性脂肪性肝炎の略語である。これはNAFLD(非アルコール性脂肪性肝)がベースにあり、肝炎の活動性を伴っているものと説明される。一般的にウイルス性肝炎では継時的にウイルス量が増加するためASTやALTは徐々に上昇し、その値が三桁になることもざらである。またアルコール性脂肪肝では飲酒量に応じてγGTが上昇する特徴があり、禁酒で劇的に改善する。

 

私見ではNAFLDから進展したNASHの場合、ASTやALTなどは異常値を示すが三桁を示すことは少ない。NASHは密かに長い年月をかけて進展し、肝硬変に至ることが知られている。したがって軽症脂肪肝の患者あるいは異常値を示していない患者の中にもNASHが隠れている場合が存在する。

 

医療機関によって肝機能検査の項目が異なるかもしれないが、当院では脂肪肝を疑う患者の定期検査項目であるAST、ALT、γGT以外に血清アルブミン値、Ⅳ型コラーゲン・7Sを加えて肝機能を評価している。血清アルブミンは肝臓でのタンパク質合成能を表す指標になるし、Ⅳ型コラーゲン・7Sは肝臓の線維化の指標になる。

 

Ⅳ型コラーゲン・7SについてSRLの検査項目レファレンスより引用すると以下の通り。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ⅳ型コラーゲン・7Sが高値を示す慢性脂肪肝の患者の中に、すでに肝硬変を合併している患者は少なからず存在する。すなわち血清NH3(アンモニア)の上昇やコリンエステラーゼの減少などがそれだ。またαフェトプロテインが高値を示しているケースもあり、将来的に肝臓がんの発症の可能性も秘めている。もし脂肪肝を呈している患者を診た場合、年に一回はⅣ型コラーゲン・7Sをチェックする必要があろう。

 

 

免疫学的検査/血漿蛋白

Ⅳ型コラーゲン・7S

 

臨床意義

  基底膜構成成分であるIV型コラーゲンのN末端ペプチド部分の7Sドメインであり、蛋白分解酵素の影響を受けにくいため

  血中では安定している。主に肝線維化のマーカーとして用いられ、肝疾患の慢性化に伴い、肝において増生・蓄積される

  線維化の量を知ることは,疾患の治癒や、予後の判定に極めて重要である。また、特に肝線維化の比較的初期から上昇する

  他の線維化マーカーより優れている。

 

異常値を示す病態・疾患

  高値疾患
  肝硬変、慢性肝炎(活動性)、肝癌

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