低血糖と糖質制限(Evening low glucose diet)

糖質摂取量により減量を行った場合、一般的に低血糖を発症する頻度は少ない。それは動物に糖新生のメカニズムが備わっているからである。2~3日あるいはそれ以上の絶食が続いたとしても体脂肪から糖新生されるため血糖値は維持される。ただ例外が存在する。それは糖尿病治療薬服用時と飲酒時である。

 

糖尿病に用いられるHbA1cは過去1か月ほどの期間のヘモグロビンに付着したブドウ糖の量をはかる指標である。通常で5%台、6%でやや高い、6.5%以上で糖尿病と診断される。われわれ内科医は6.5%をもって治療を開始するわけだが、ここに問題がある。

 

つまり空腹時血糖値と食後血糖値の差である。たとえば食後血糖300㎎/㎗と夜間睡眠時の血糖50㎎/㎗すなわち「300+50÷2=175㎎/㎗」の平均血糖値によるHbA1c6.5%をもってコントロール良好と判断している可能性も十分ありうる。

 

血糖値50㎎/㎗では即、死につながるものではないが長時間、血糖値50㎎/㎗が続いたり、たびたび血糖値50㎎/㎗にさらされた場合、骨髄抑制を生じる可能性がある。特に白血球系の芽球(特にBリンパ球系)が影響を受ける。

 

低γグロブリンを呈する患者を調べたところ糖尿病患者とアルコール多飲の患者であった。糖尿病患者はコントロール比較的良好な者が多く、アルコール多飲患者では肝炎の程度と必ずしも相関はなかった。

 

糖尿病患者は食後高血糖と空腹時ではなく夜間・睡眠中の低血糖ではないかと推測する。夜間睡眠中に低血糖を生じても気が付かない。血糖降下剤が効いている間は糖新生機能が作動しても低血糖を回避できない。薬効が切れた朝食前になると糖新生機能により正常化すると考えられるのだ。

 

アルコール多飲患者ももし炭水化物を摂取せず蒸留酒を長時間飲み続けた場合、グリコーゲン(蓄積ブドウ糖)が枯渇して睡眠中に低血糖を生じ得る。なぜならアルコールは糖新生を抑制するからだ。実は起きていても満腹であっても低血糖の場合も存在するのだ。

 

もし糖質制限を熱心に行っている人で、愛飲家の方がいるなら糖質制限を中止しなければならない。もちろん朝食、昼食で炭水化物を摂取して十分、グリコーゲンを貯めて脂肪肝予防のため夕食だけ炭水化物を抜く『Evening low glucose diet』であるならば夜間睡眠中の低血糖は回避できると考える。

 

 

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